
第一作の『片腕必殺剣』が香港で初めて100万ドルの興行収入を突破し、東南アジアで絶大な人気を博したことから製作された正統続編。本作ではあらゆる武術と武器を駆使した多くの敵キャラクターと戦う片腕剣士カンの活躍を描き、よりエンタテインメント性を追求した内容となっている。また、当時新人だったティ・ロン、ツン・ホア、チェン・シンやラウ・カーウィンなど、後にショウ・ブラザースで活躍する男性武打星たちが多数出演しているのも見所である。

金刀派とその師匠一家を敵から助けたファン・カン(ジミー・ウォング)は、シアオマン(チァオ・チァオ)と農業を営みながら平和に暮らしていた。ある日、黒白刀使と名乗る者たちが現れ、武術大会の招待状を置いていくが、武侠の身から離れていた彼はその誘いを断る。そこへ彼に助けを求める若者たちが現れる。黒白刀使の招待状は無相王(ティエン・ファン)率いる八大刀王ら武侠集団によって仕組まれた武術大会で、彼らの軍門に下らなければただ死を待つのみであった。それを受け取った各流派の長老たちは拒否したことで人質となり、唯一立ち向かえるファン・カンに助けを求めたのだった。最初は拒否していたカンだったが、妻シアオマンの一言で、カンは各流派の若者たちとともに知力を尽くして強大な敵に立ち向かう。

ヒット作の続篇というのは、むかしは速成のいいかげんなものも多かったが、この『続・片腕必殺剣』は、前作から1年半の時間をかけて、前作よりもアクション盛りだくさんの、サービス満点な作品になっている。
前作のラストで剣の道をすてた片腕のヒーロー、ファン・カン(ジミー・ウォング)が、“八大刀王”を名のる悪逆無道な武芸者集団とたたかわなくてはならなくなる。
さまざまな流派、新奇な武器がいりみだれて、その特長をきそいあう、クンフー/武侠映画ファンにはこたえられない設定である。冒頭のタイトル・バックでも、八大刀王の武器が開練され、期待をかきたてる。
八大刀王とたたかう武林(武芸界)のがわもふくめ、出演者の数は非常に多く、そのためか、当時のほかの作品ではもっと出番のすくない、武術指導兼任のラウ・カーリョンや助監督兼のウー・マが、ちゃんとキャラの立った役をやっているのがうれしい。ラウ・カーリョンは八大刀王の一人で、日本の鎖鎌を逆にして(つまり鎌を投げる)、さらにそれをダブルで用いる、おそろしい武器をつかいこなしている。
新人もおおぜい登場している。「介紹」すなわちintroducingとして大きくクレジットされているなかには、その後まもなくスターになるチェン・シン(『怒れるドラゴン/不死身の四天王』(74)とティ・ロンがいる。ティ・ロンは、このときは「譚栄(タン・ロン)」という名だった。さらにクレジットもされていない小さな役で、デビッド・チャンが出ているのも見のがせない。
ティ・ロンとデビッド・チャンは、この同じ年(69)のうちに主役級に昇格し、『ヴェンジェンス/報仇』(70)『英雄十三傑』(70)等、70年代のチャン・チェ映画をささえる大スターとなった。ここでは、無名時代の二人の貴重な映像が見られるわけだ。
宇田川幸洋(映画評論家)
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